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ガウとマニ石の違いとは? ― チベット仏教の護符箱と祈りの石を徹底解説

チベット文化を象徴する祈りのアイテムとしてよく目にするガウ(Gau)とマニ石(Mani Stone)
どちらも慈悲と加護を祈る象徴ですが、役割・置き場所・扱い方は大きく異なります。
本記事では、初心者にも分かりやすく共通点と違いを整理し、正しいマナーまで網羅します。

目次

結論サマリー

  • ガウ=身につける護符箱。中に経文・マントラ・小像・護符などを納める携行の祈り。
  • マニ石=道端や聖地に奉納する祈りの石。主に**「オム・マニ・ペメ・フム」などのマントラを刻む/描く**。
  • ガウは私的な守護、マニ石は**公的な供養・積徳(功徳の共有)**の性格が強い。
  • 扱い方のマナーが違う:マニ石は持ち帰らない/積み替えないが原則。

ガウ(Gau)とは ― 身につける護符箱

役割と意味

  • チベット系仏教圏で用いられる携行型の御守(おまもり)容器
  • 中身は経文(マントラ)/小さな仏像・タンカ断片/護符(スンマ)/香木・薬草・加持物など。
  • 旅の安全/病魔除け/心の平安を祈る個人の守りの性格が強い。

形・素材・意匠

  • 形:円形/ハート形/八角形/仏塔型など。背面が開閉できる構造が多い。
  • 素材:銀・銅合金が一般的。装飾にトルコ石・コーラル(珊瑚)・ラピスなどを用いる。
  • 図像:八吉祥(アシュタマンガラ)金剛杵・金剛鈴、**観音(チェンレジク)**など。

使い方とマナー

  • 胸もとに下げる/ポーチに入れて携行/家庭の祭壇に安置。
  • 中身の**加持(僧侶の祈祷)**は伝統的に重視される。
  • 取り扱いは清浄・丁重に。水濡れ・強研磨は避け、柔らかい布で乾拭き。

マニ石(Mani Stone)とは ― 奉納する祈りの石

役割と意味

  • 石に観音菩薩の真言「Om Mani Padme Hum」などのマントラを刻む/描く供養物。
  • 道沿い・峠・橋・寺院の境内などに積まれた**マニ塚/マニ壁(Mani Wall)**として奉納される。
  • 個人の祈りを場(フィールド)全体の功徳へと開く公的な祈りの性格が強い。

形・素材・風習

  • 形:扁平な河原石/板状の石が多い。
  • 技法:彫刻/彩色。赤・藍・金の彩色や、観音像・八吉祥を併記することも。
  • 慣習:**右回り(コルラ)**でマニ塚を巡るのが礼儀。

マナー(とても大切)

  • 持ち帰らない:奉納物は公共の宗教財積み替え・書き足し・座る/乗るのもNG。
  • 写真は節度を守る:人々の祈りの対象であることを意識し、踏まない・跨がない

ひと目で分かる比較表

観点ガウ(Gau)マニ石(Mani Stone)
本質携行する護符箱(個人の守護)奉納する祈りの石(場と衆生のため)
置き場所身につける/自宅祭壇道・聖地・寺院の境内(据え置き)
中身/意匠経文・小像・護符・加持物|金属細工・宝石装飾マントラ(Om Mani Padme Hum)・観音像・八吉祥を石面に刻む/描く
主な目的旅の安全・除難・心の平安功徳の奉納・巡礼の印・共同体の祈り
扱い方清浄・携行・保管|中身は加持が望ましい持ち帰らない/積み替えない/右回りで巡る
関連キーワードガウとは/護符箱/チベット銀細工/お守りマニストーン/マニ塚/マニ壁/観音真言

よくある質問(FAQ)

Q1. ガウの中には何を入れればいい?
伝統的にはマントラの印刷札/小像/護符(スンマ)/香木や薬草など。可能なら僧院で**加持(祝福)**を受けるとよいとされます。入替えは清潔な場所で丁重に。

Q2. マニ石は家に飾っていい?自分で作ってもいい?
奉納されたマニ石を持ち帰るのはNG。自作する場合は未奉納の石に刻印・彩色して自宅祭壇に置く分には問題ありません(地域の宗教慣習には配慮)。聖地のマニ塚を動かしたり積み替えるのは避けましょう。

Q3. ガウをアクセサリーとして身につけても失礼ではない?
基本的には問題ありませんが、宗教的シンボルであることを尊重して丁重に扱いましょう。水場・スポーツ・激しい摩耗がある場面は外すのが無難です。


巡礼・暮らしの中での使い分け

  • 日常/旅の守護にガウ(個人の祈りを携行)
  • 聖地・道・共同体への供養にマニ石(功徳を場へ開く)

いずれも観音菩薩の慈悲を核に持つ文化実践。
「私の平安」と「世界の平安」を補い合う二つの祈りのかたちと覚えておくと分かりやすいでしょう。


用語ミニ辞典

  • ガウ(Gau):チベット仏教の護符箱。携行・安置して加護を祈る。
  • マニ石(Mani Stone):観音真言を刻んだ奉納石。マニ塚・マニ壁として積まれる。
  • Om Mani Padme Hum:観音菩薩の六字真言。慈悲と浄化を象徴。
  • 八吉祥(Ashtamangala):法輪・宝傘・法螺・蓮華・吉祥結・金魚・宝瓶・勝利幢。吉兆の象徴群。
  • コルラ(Kora):聖地や仏塔を右回りに巡る巡礼行。

まとめ ― ふたつの祈り、ひとつの慈悲

ガウは内へ、マニ石は外へ。
内なる心を守る祈りと、世界へ功徳をひらく祈りは、
ともに観音の慈悲へと結びついています。
日々の暮らしと旅路のなかで、場にふさわしい祈りのかたちを選び、丁重に扱いましょう。

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