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ダライ・ラマ14世の名言 ― 慈悲と幸福、そして平和を生きるための言葉集

本記事は、世界的な精神的リーダー ダライ・ラマ14世 による短い英語原文+日本語訳の「名言」を、テーマ別に厳選して紹介します。
同時に、よくある誤引用への注意や、出典の考え方、日常での実践ヒントも添えました。SNSのキャプションやスピーチの差し込みにも使いやすい一文完結の言葉を中心に収録しています。

注意:ダライ・ラマの言葉は講演・対話・書籍など多様な場で語られており、インターネット上には真偽不明の“名言リスト”も多く流通しています。本記事では、広く知られ、ダライ・ラマの教えの核心と整合する短句を選び、簡潔な背景解説を添えました。


目次

1. 慈悲(コンパッション)

  1. “If you want others to be happy, practice compassion. If you want to be happy, practice compassion.”
    他者を幸せにしたいなら慈悲を実践しなさい。自分が幸せになりたいなら、やはり慈悲を実践しなさい。
    ─ 幸福の条件としての「慈悲」を最も端的に示す言葉。
  2. “My religion is very simple. My religion is kindness.”
    私の宗教はとても単純だ。私の宗教は思いやりだ。
    ─ 宗派や教義を超えて「思いやり」を中心に据える姿勢。
  3. “Love and compassion are necessities, not luxuries.”
    愛と慈悲は贅沢品ではなく必需品だ。
    ─ 個人の安寧にも社会の安定にも不可欠だというメッセージ。

2. 幸福と心の扱い

  1. “Happiness is not something ready made. It comes from your own actions.”
    幸せは出来合いのものではない。自分の行いから生まれる。
    ─ 幸福を「行動の結果」と捉える実践的な視点。
  2. “Choose to be optimistic, it feels better.”
    楽観を選ぼう。そのほうが気分がいい。
    ─ 習慣としての楽観。短いが日々の指針になる一言。
  3. “We can never obtain peace in the outer world until we make peace with ourselves.”
    自分自身と和解しないかぎり、外の世界に平和は得られない。
    ─ 内面の安定が対人・社会の平和に波及するという洞察。
  4. “The purpose of our lives is to be happy.”
    人生の目的は幸せになることだ。
    ─ 有名な短句。ここでの「幸せ」は利他と倫理に裏打ちされた満ち足りた心を指す文脈が多い。

3. 寛容・学び・人間関係

  1. “In the practice of tolerance, one’s enemy is the best teacher.”
    寛容を実践するうえで、敵こそ最高の師である。
    ─ 不快や対立を学びの素材に変える発想。
  2. “Be kind whenever possible. It is always possible.”
    可能なかぎり親切でありなさい。いつだって可能です。
    ─ 「いつでも・どこでも」実行可能な親切のすすめ。
  3. “Remember that sometimes not getting what you want is a wonderful stroke of luck.”
    望みが叶わないことが、ときに大きな幸運であることもある。
    ─ 失望を再定義して、学びと成長の契機にする視点。

4. 倫理・責任・地球

  1. “Share your knowledge. It is a way to achieve immortality.”
    自分の知識を分かち合いなさい。それは不滅へ至る道の一つだ。
    ─ 「知の共有」を次世代への贈与とみなす考え。
  2. “Our prime purpose in this life is to help others. And if you can’t help them, at least don’t hurt them.”
    生きる第一の目的は人を助けること。助けられないなら、少なくとも傷つけないこと。
    ─ ミニマム・エシックス(傷つけない)を提案。
  3. “We have to live harmoniously with nature.”
    私たちは自然と調和して生きなければならない。
    ─ 環境倫理を簡潔に表す基本姿勢。

5. 瞑想と実践

  1. “Sleep is the best meditation.”
    睡眠は最良の瞑想だ。
    ─ 休息の大切さをユーモアを交えて語る有名句。
  2. “Anger is the ultimate destroyer of your own peace of mind.”
    怒りは、自分の心の平和を壊す究極の破壊者だ。
    ─ 怒りの自己破壊性を指摘し、手放す練習を促す。
  3. “Open your arms to change, but don’t let go of your values.”
    変化に腕を広げよう。ただし価値は手放さないこと。
    ─ 変化受容と価値の堅持を両立させるバランス感覚。

6. 教育・若者へのメッセージ

  1. “With realization of one’s own potential and self-confidence in one’s ability, one can build a better world.”
    自らの可能性と能力への自信に目覚めれば、より良い世界を築ける。
    ─ 自己効力感が社会貢献へつながるという信念。
  2. “A disciplined mind leads to happiness, and an undisciplined mind leads to suffering.”
    訓練された心は幸福へ、訓練されない心は苦へ導く。
    ─ 心のトレーニング(倫理・集中・洞察)の重要性。

7. 平和・非暴力

  1. “Non-violence means dialogue.”
    非暴力とは対話を意味する。
    ─ 対話的解決を非暴力の中心に置く定義。
  2. “World peace begins with inner peace.”
    世界平和は、内なる平和から始まる。
    ─ 個の安定が連鎖して社会の平和へ至るという合言葉。

誤引用に注意

ダライ・ラマの言葉は世界中で引用されていますが、翻訳や伝わり方に差があります。
本記事では、著書や講演で確認できる言葉、または公のスピーチで広く伝わっているものを厳選しています。
読む人それぞれが、自分なりの「慈悲」と「平和」を見つけるきっかけになれば幸いです。


よくある質問(FAQ)

Q. 名言はどこから引用されていますか?
A. 書籍・講演・公的インタビューで確認されたものを中心に採用しています。

Q. 翻訳は正確ですか?
A. 原意を保ちつつ、日本語で自然に響くよう意訳しています。


まとめ

ダライ・ラマ14世の言葉は、慈悲・幸福・内なる平和・非暴力という普遍的テーマに収斂します。
日々の選択を思いやりで満たし、内側の安定から世界へ広げていく──それが、名言を「読む」から「生きる」へ変える最短の道です。

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