チベット仏教における修行の中心となるのが 「菩提心(ぼだいしん)」 です。
菩提心とは「悟りを求める心」を意味し、大乗仏教の根本的な精神でもあります。
単なる自己解脱ではなく、「すべての衆生を救うために悟りを求める心」が菩提心の本質です。
この記事では、菩提心の意味や種類、チベット仏教における実践法、そして日常生活への応用までを解説します。
菩提心とは?
「菩提(Bodhi)」は「悟り」、「心(Citta)」は「心」を意味します。
つまり菩提心とは「悟りを志す心」であり、大乗仏教では修行者にとって不可欠な出発点です。
- 自分だけの悟りではない
他者をも救うために悟りを目指す心が強調されます。 - すべての衆生を対象にする
自分の幸福だけでなく、あらゆる命の苦しみを取り除こうとする心です。
チベット仏教における悟りについては、こちらで詳しく解説しています。

チベット仏教における菩提心
チベット仏教では、菩提心を育むことが修行全体の基盤とされています。
- 瞑想修行
菩提心を育むための瞑想が体系化されており、慈悲の瞑想やトンレン瞑想と深く結びついています。 - 菩薩道の実践
菩提心を持った者は「菩薩」として生き、六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)を実践します。 - 誓願(ヴァウ)
「一切衆生を救うまで自分は悟りを得ない」という強い誓いを立てることが重視されます。
菩提心の二種類
チベット仏教では菩提心を大きく2つに分けて理解します。
- 発心(アスピレーション・ボーディチッタ)
- 悟りを求める意志を持つこと
- 願いとしての菩提心
- 行心(アクティブ・ボーディチッタ)
- 実際に行動し、他者を救う実践を伴うこと
- 行動としての菩提心
この両輪がそろって初めて、本当の菩提心が成り立ちます。
菩提心と慈悲の関係
菩提心は慈悲(コンパッション)と切り離せません。
- 慈悲:他者の苦しみを取り除きたいという心
- 菩提心:そのために悟りを目指す決意
つまり慈悲が土台となり、その上に「悟りへの志」が加わって菩提心が生まれるのです。
チベット仏教における慈悲については、こちらの記事で詳しく解説しています。

日常に活かす菩提心
菩提心は出家者や修行僧だけのものではなく、現代人の日常生活にも応用できます。
- 人間関係において
相手を支配するのではなく、相手の幸福を願う心を持つことで関係が良好になります。 - 仕事において
自分の成功だけでなく、周囲の成長や社会全体の利益を意識できるようになります。 - 自己成長において
菩提心を持つことで、自分の行動に意味と方向性が生まれます。
日本仏教との比較
日本仏教でも菩提心は重視されますが、チベット仏教はより実践的で体系化されています。
- 日本仏教:菩提心は教えとして語られることが多い
- チベット仏教:瞑想や誓願によって、菩提心を日常の実践に落とし込む
この違いにより、チベット仏教の菩提心は現代人にとっても具体的な生き方の指針となります。
よくある質問(FAQ)
Q. 菩提心は誰にでも育てられますか?
はい。慈悲を育む実践を通して、誰でも菩提心を芽生えさせることができます。
Q. 菩提心を持つとどうなりますか?
自分の行動が他者の幸福とつながり、より意味のある人生を送れるようになります。
Q. 菩提心と悟りは違うのですか?
菩提心は「悟りを求める心」であり、悟りそのものではありません。悟りへの道を歩むための原動力です。
TIBET INORIと菩提心の智慧
TIBET INORIは、チベット仏教の菩提心を「祈りと暮らしの指針」として大切にしています。
- マニ車を回し、すべての衆生の幸福を願う
- タルチョを掲げ、慈悲と誓願を風に託す
- ガウを身につけ、常に悟りへの志を胸に抱く
菩提心は、私たちの心を広げ、人生をより意味深いものに変えてくれる智慧です。
その精神を日常に届けるのが、TIBET INORIの役割です。
