仏教の世界観を語るうえで欠かせないのが 六道輪廻(ろくどうりんね) の思想です。
六道輪廻とは、衆生が死後に業(カルマ)によって六つの世界を転生し続けるという考え方です。
チベット仏教においても六道輪廻は中心的な教えであり、「解脱」と「悟り」へ至るための理解として重視されています。
六道輪廻とは何か?
六道輪廻とは、生命が死後に業(カルマ)の結果として次に生まれ変わる世界を示す教えです。
この六つの世界を 六道 と呼びます。
- 地獄道:苦しみに満ちた世界
- 餓鬼道:飢えと渇きに支配された世界
- 畜生道:無知と恐怖に縛られた動物の世界
- 修羅道:怒りと戦いに満ちた世界
- 人間道:苦楽が混在するが、悟りに近づきやすい世界
- 天道:喜びにあふれるが、やがて堕落する世界
六道輪廻は「永遠のサイクル」であり、仏教修行はそこから解脱することを目的としています。
輪廻転生については、こちらの記事で詳しく解説しています。

チベット仏教における六道輪廻の特徴
チベット仏教では、六道輪廻は「輪廻図(バヴァチャクラ)」によって視覚的に表現されます。
- バヴァチャクラ(輪廻図)
死と再生のサイクルを描いた曼荼羅のような絵図。寺院の入口に掲げられ、信徒が目にすることで無常を思い出す。 - カルマと輪廻
善行はよい世界への生まれ変わりを導き、悪行は苦しい世界へと導きます。 - 解脱の可能性
輪廻の中でも「人間道」が特に重要で、修行によって解脱のチャンスを得られるとされます。
六道の詳細
地獄道
苦痛と拷問が支配する世界。怒りや憎しみの業が原因。
餓鬼道
常に飢えと渇きに苦しむ世界。強欲や執着の業によって生まれる。
畜生道
無知と恐怖に支配された動物の世界。本能に従って生きる苦しみ。
修羅道
戦いと嫉妬に満ちた世界。権力や競争に執着する心が原因。
人間道
苦しみと喜びの両方を経験する世界。悟りを得やすいため、最も貴重な存在。
天道
快楽と喜びにあふれるが、寿命が尽きれば再び他の道に堕ちる。慢心が危険とされる。
六道輪廻からの解脱
チベット仏教の最終目的は、六道輪廻のサイクルから解脱し、悟りに至ることです。
日本仏教との比較
日本仏教でも六道輪廻の思想は説かれますが、チベット仏教は視覚的で実践的に伝えられる点が特徴です。
- 日本:説法や経典を通じて理解する
- チベット:輪廻図や修行を通じて「体感的」に学ぶ
よくある質問(FAQ)
Q. 六道輪廻は本当にあるのですか?
仏教では実際の世界というよりも「心の状態」として理解されることもあります。
Q. 人間に生まれることは特別なのですか?
はい。人間道は苦しみがありながらも悟りの可能性を持つため、最も貴重な生まれ変わりとされます。
Q. 六道輪廻から抜け出すにはどうすればよいですか?
智慧と慈悲を実践し、仏教の教えに従って修行を積むことで、解脱への道が開かれます。
TIBET INORIと六道輪廻
TIBET INORIは、六道輪廻の教えが伝える「無常と慈悲の智慧」を大切にしています。
- 生まれ変わりの思想を通じて学ぶ「心の変化」
- 輪廻から解脱を目指す修行の実践
- 他者を救おうとする菩提心
六道輪廻は、人間の苦しみと希望を映し出す鏡です。
その教えを日常に取り入れ、祈りを通じて心を解き放つことが、TIBET INORIの願いです。
